こんばんは!須田祐樹です!
今回は『アニサキス』についてお話しようと思います!
みなさん!お寿司はどれぐらいの頻度で食べていますか?
ここ20年ぐらいで100円の回転寿司が普及して、週に何回も食べる人もおられるんじゃないでしょうか?
昔のお寿司と言えばかなり高級な食べ物のイメージなハズなんですが、今や子供の好物になっていますね♪
値段も安いですし味もそれなりに美味しい回転寿司が増えてきました!さらに自分の好きなお寿司を席に座った瞬間から食べられる気軽さから、子供からお年寄りにまで人気ですね♪
僕も1~2週間に1回は食べるかなぁ♪という感じですが、昔(学生)の時と比べると、食べる量が減ってきました( ;∀;)
昔はだいたい20~30皿食べてたんだけど、今は10皿食べたら死んじゃいそうなぐらいお腹いっぱいです。財布には優しくなりましたが(笑)
みなさんは最高何皿食べたコトありますか??
子供も大好きな回転寿司。寿司というぐらいなので当然「生もの」であるお刺身が上に乗っていますよね!
今回はこの生ものが引き起こす食中毒の1種であるアニサキス症についてお話します!
※虫の画像が苦手な人もいるので、アニサキス幼虫の画像は使っていませんよ(*´ω`*)興味のある人は「アニサキス 画像」でググって下さいね♪※
アニサキス?アニキサス?
ちょこちょこっとニュースでも取り上げられているこの「アニサキス症」という言葉。
最初は「アニサキス」か「アニキサス」か覚えられませんでした( ;∀;)
でもアニキサス(兄貴刺す)って怖いですね・・・あっ、オヤジギャグレベルでした(笑)
アニサキス症はお刺身を始めとする魚介類の中に寄生している寄生虫(幼虫)が原因で起こる食中毒です。
アニサキスの幼虫は白色の細い糸くずのような見た目で、サイズは本当に糸くずそのもの、長さが約2~3cm前後で太さが約1mm程度なんです。
主にイワシやカツオ、サケやイカなどに生息していることが多く、その中でもサバに寄生しているケースが最も多いとされています。
僕、結構サバ食べるんですが・・・( ;∀;)
アニサキスが寄生している場所は内臓部分がスタート
アニサキス幼虫は主に魚介類の内臓部分に寄生していると言われていますが、調理前の魚を買って、内臓を抜かずに放置していると、幼虫が身(筋肉)の方へ進入していくと言われています。
そのため生で食べる場合は、長時間放置したサバやイワシなどは特に注意して下さい。
アニサキス症の症状は胃と腸で症状が異なる
お刺身などの生ものと一緒にアニサキス幼虫が体内に進入してしまうと、胃や腸に寄生します。
胃の壁に寄生した症状を胃アニサキス症と呼び、この症状は食後3~4時間という比較的早い時期に起こります。
急激な腹痛や吐き気、そして嘔吐が襲ってきます。
分かりやすい例えでは、誰かが体の中に手を突っ込んできて、胃をわしづかみしているような痛みだそうです。とにかく激痛です。
アニサキスの幼虫は胃の壁に頭を突っ込んだ形で寄生します。ですが胃の壁に顔を突っ込むことが原因で痛みを感じるのではなく、1回目に体内にアニサキスが侵入したことを体が覚えていて、2回目のアニサキス侵入時に体が拒否反応のアレルギーを起こすので、それが原因で激痛が走ります。
一方、腸の壁にアニサキス幼虫が寄生した場合は腸アニサキス症と呼び、こちらは食事をしてから半日経ってから、もしくは数日~1週間経ってから激しい腹痛や吐き気に見舞われます。
ごく稀にアニサキスに対してもともとアレルギー反応を起こす人もいて、その場合はじんましんやかゆみ等が起こる場合があります。
ちなみに一般的に胃で発症することが多いアニサキス症、この特徴は下痢はしないという事です。
胃アニサキス症・・・食後3~4時間後の腹痛・吐き気
腸アニサキス症・・・食後半日~1週間の腹痛・吐き気
アニサキス症にかかった時の治療法
アニサキス幼虫が胃に寄生している場合は内視鏡で検査し、そのままつまみ出すことが可能です。内視鏡で摘出した場合はウソのようにすぐに痛みが消えます。
アニサキス幼虫が腸に寄生している場合は、内視鏡での発見は困難ですので、超音波検査を行ったりレントゲン撮影を行ったりして原因を突き止めます。
ですが腸アニサキス症の場合は内視鏡で摘出することが出来ないので、アニサキス幼虫が死滅するのを待ちます。約1週間ほどで死滅して体外に排出されます。
いわゆる経過観察ですね…
アニサキス症の予防方法
アニサキス症の予防法その①:生ものを食べない
「そんなん当たり前やんっ!!」って言われそうですが、生ものを食べなければアニサキス症に感染することはありません。ですが、たまには食べたくなりますよね。
その場合は出来るだけ新鮮な魚介類で、出来るだけ内臓部分は食べないようにしましょう。
新鮮な魚の場合にも内臓部分には生息している場合があります。
生ものを食べる時はよく目視して下さい!
アニサキスの幼虫は目視でも見付けることが出来ます!
最新のニュースによると、アニサキス感染の大半はお寿司からの感染だそうです。
芸能人も次々と感染していますよね。
さらにアニサキスの幼虫は〆鯖などの酢でも死滅しませんし、わさびや醤油、塩でも死滅しないので厄介です。
アニサキス症の予防法その②:加熱
アニサキス幼虫は熱に弱く、しっかり加熱することで死滅させることが可能です。
100℃で数分煮込むまでもしなくても、60℃で約1分、70℃なら数秒で死滅します。
でも焼いた刺身ってもはや刺身じゃないですね( ゚д゚)
炙りサーモンのように軽く炙るだけでは死滅しないですし。。
アニサキス症の予防法その③:1日以上冷凍
アニサキス幼虫はマイナス20℃以下の低温で、1日以上冷凍すると死滅するとされています。ただ、マイナス20℃に達していない場合は死滅していない可能性もありますので、注意して下さいね。
家庭用の冷蔵庫の冷凍庫ではちょいと厳しいですね。
アニサキス症の予防法その④:2次感染
魚の内臓処理を行っている時に、内臓から出てきたアニサキス幼虫が、調理器具を通じてそのまま別の魚に感染する場合があります。
アニサキス幼虫がよく寄生するサバやサケ、かつおやイワシなどを調理する際は、毎回調理器具を新しくするか洗う必要があります。
まな板に水が残っていてそこにアニサキスが逃げた場合は、驚くぐらいのスピードで移動してしまいますよ。
アニサキス症の予防法その⑤:よく見て食べる
アニサキス幼虫は他の病原菌などの細菌と違って幼虫です。ですので生ものを食べる時によく気を付けて見ていれば白っぽい糸くずのようなものを発見出来ます。
まぁそんなのを見つけた瞬間に食欲が失せてしまいますが、感染予防という観点ではよく見て食べることも重要です。
また、気持ち悪いですが、よく噛んで食べることもアニサキス幼虫の感染を防ぐことが出来ます。(咀嚼によりアニサキス幼虫が死滅します)
おぇ~( ;∀;)(笑)
イカなどでよく行われている「飾り包丁」もかなり効果的ですよ!
飾り包丁とは、細かく切り目を入れる事です。これによりアニサキスの幼虫を切断することが出来ます。
アニサキス症の重症化
アニサキス幼虫が腸外へ進入し、腸閉塞を起こしてしまうケースもごく稀にあります。
最悪の場合は開腹手術が必要になる場合もありますので、異常を感じた場合は即医療機関を受診して下さい。
アニサキスがよく寄生する魚類
アニサキスはどんな魚介類にでも寄生するというわけではありません。ある特定の種類によく寄生しているので、特にその種類を食べる場合は注意して下さいね。
その一例を書いておきます♪
鯖(さば)
僕の家ではよく焼き鯖を食べ、生の鯖はあまり食べないのですが、お寿司屋さんでは鯖のお寿司や〆鯖は人気ですね。
特に九州地方では鯖を刺身で食べることが多いそうですよ。
お寿司屋さんの中には「お酢でしめた〆鯖なら大丈夫」と言っているところもあるそうです。
実際に「今日は新鮮は鯖が取れたから、軽く〆ました!」と言って出てきた鯖からアニサキス感染をした人もいるぐらいです。
イカ類(アオリイカ、スルメイカなど)
アオリイカとスルメイカを比べると、圧倒的にスルメイカにアニサキスが寄生している方が多いです。
釣りを趣味にしている友人も同じことを言っていました。
お寿司屋さんでも良く出てくるアオリイカ、取り立てのイカの色はなんと透明に近いのですが、翌日以降に食べるイカは私たちに一番馴染みのあるあの「白色」のイカです。
白色だけにアニサキスの発見が困難なんです。一般的にアオリイカをお寿司屋さんで出す時は、万が一を考慮して細かく包丁を入れる「飾り包丁」をしているところが多いですね。
また、スルメイカは特にアニサキスが寄生している場合が多く、スーパーや料理屋さんで食べる場合には注意して下さい。特に美味しい「塩から」からの感染が多いとされていますよ。
サワラ
なかなか生で食べることが少ないサワラですが、通な人の中ではサワラの刺身が人気です。
通常はサワラは加熱調理してから食べることが多いので、そこまで気にする必要はありませんが、生食の場合は是非気を付けて下さいね。
サーモン
お寿司の定番メニューでもあるサーモン、あぶりサーモンやオニオンサーモンって美味しいですよね。ですがアニサキスはこのサーモンにも寄生します。
さらにサーモンにはリステリア菌と呼ばれる食中毒の原因になる菌も含まれているんです。
健康な人なら全く問題がない菌なのですが、免疫が落ちている妊婦さんは特に注意が必要です。
その他の魚介類
その他にはニシンやイワシ、サンマやホッケ、そしてタラなどにもアニサキスは寄生する可能性はあります。
養殖の魚はアニサキスの心配はいらない?
自然界で生まれ育った魚介類は、その食べ物を通じてアニサキスに感染する可能性が高いです。
一方、養殖で育てられた魚介類は、餌にアニサキスが混じっていない限り、アニサキスが寄生している可能性は限りなく低いとされています。
ですので「天然物」を使っているのか「養殖物」を使っているのかを参考にすることも出来ますよ。
でも、養殖でも100%安全と言うわけではないので、注意するに越したことはありません。
アニサキス幼虫はもともとクジラやイルカの腸に生息
アニサキス幼虫はもともとクジラやイルカなどの海に生息する哺乳類の腸の中で生息しています。
これらのアニサキス幼虫が哺乳類の腸内で産卵し、その産卵された卵が便と共に海中に放出されてしまいます。
次に海に生息する甲殻類がそのフンや卵を食べてしまいます。そしてその甲殻類の体内で卵が孵化し、幼虫にまで成長してしまいます。
そしてその後にその甲殻類をエサとする鯖やイカなどの魚介類が幼虫となったアニサキスを食べてしまい、感染してしまいます。
そしてその次は人へ・・・というサイクルです。
クジラやイルカ ⇒ 甲殻類 ⇒ 魚介類 ⇒ 私たち人間
つまり自然界で普通に暮らしている魚介類の方が、圧倒的にアニサキスに寄生されることが多いんですね。
一方、養殖で育てられた魚介類は自然の甲殻類などを食べることはほぼなく、決められたエサだけを食べます。ですので寄生率はグンと下がるわけですね。
マグロもアニサキスに気を付けた方がいい?
一般的に私たちが食べているマグロは養殖が多く、アニサキスが寄生していることは超稀ですが、ヨコワと呼ばれるマグロの子供にはアニサキスが寄生している場合があります。
ですが食卓に出てくるマグロにアニサキスが寄生している方が珍しいですし、さらにマグロの身は赤いため、すぐにアニサキスを発見することが出来ますので、マグロは安全と言えるでしょう。
また、天然物でも遠洋マグロの場合は、遠洋で獲ったマグロはマイナス50℃に冷凍してから持ち帰って来るため、アニサキス感染の危険性はありません。
必ず死滅しますので(^^♪
番外編ーがん発見に貢献する線虫
アニサキスと似た姿をしているC.エレガンスと呼ばれる線虫がいます。これは土の中に生息していて、犬以上の嗅覚を有していると言われています。
これは人には寄生しないという特徴があり、医療に役立つとされ、研究が進んでいます。
この犬以上の嗅覚を用いて、なんとがんの早期発見を行うと言うのです。
このC.エレガンスという線虫はがん患者の尿の臭いに反応する性質を持っていて、90%以上の成功率があるそうです。
しかも初期のステージ1やステージ2でもがんを発見出来るとか。。。
2019年の実用化に向けて、急ピッチで実験が行われています。
がんの種類によっても臭いが違うことがわかっており、ゆくゆくはそれぞれのがんに特化したCエレガンス線虫を開発したいとのことです。
またアルツハイマー病の治療にも期待出来る可能性があるステキな線虫です!
さいごに
生ものによるアニサキス症って意外と身近な存在です。でも暖かくなってくると、このアニサキス症だけでなく、その他の食中毒も発生しやすくなりますので、生ものはなるべく新鮮な間に食べて下さいね♪
特に妊婦さんは飲める薬の量も限られていますし、抵抗力も落ちていますので注意して下さいね!出来れば妊娠中は生ものやファーストフードは食べない方がいいかも知れないですね♪
以上、すだっちでした(*’▽’)